
現在、生成AI(ジェネレーティブAI)の技術が進化し、誰でも簡単に高品質なイラストを作成できるようになりました。

はじめまして、Ny@Tech(にゃテック)と申します。
これらの画像は、日本のアニメ風キャラクター画像の生成を得意としている「PixAI(ピクスエーアイ)」で作成しました。
もともとWEBマーケティングの分野で活動してきましたが、2024年頃から生成AIの可能性に興味を持ち始め、現在は「DomoAI(ドモエーアイ)」などを使ってアニメーション制作も楽しんでいます。
今まで、アニメーションを制作する際の画像生成には、DALL-E3やAdobe Fireflyなどを利用していましたが、知り合いのすすめでPixAIを使ってみたところ、
「PixAIでキャラクター生成 → DomoAIでアニメーション化」
というワークフローが、スムーズかつ直感的に操作できたため、この記事ではその手順を解説したいと思います。
この記事を読むことで、漫画やアニメを制作したことがない方でも、Webサイトにイラストを掲載したり、アニメーションやショート動画などを作成する方法について知ることができます。
PixAI(ピクスエーアイ)は、2次元のアニメ・イラスト調の画像生成に特化したサービスです。
Stable Diffusionをベースに、多数のカスタムモデルやLoRA(Low-Rank Adaptation)を利用して、さまざまなスタイルのキャラクター画像を生成できます。
また、2025年5月に搭載された“モデルV2.5以降”から、簡易的なアニメーションの出力も可能になりました。
PixAIはパソコンにインストールする必要がなく、ブラウザ上で利用できるWebサービスとして提供されています。
そのため、パソコンに限らず、スマートフォンやタブレットからでもアクセス可能です。
さらに、iOSおよびAndroid向けのモバイルアプリもリリースされていますが、アプリ版はWeb版に比べて制限が設けられているため、この記事では、Web版をベースに説明しています。
PixAIの大きな特徴の一つとして、ユーザーが訓練・共有した生成モデルを集めた「モデルマーケット」に対応している点が挙げられます。
モデルマーケットは、数千種類におよぶ多彩な画像生成“モデル”や“LoRA(Low-Rank Adaptation)”から好みのスタイルを選び、画像を生成することができます。
そのため、細かな表現の指定や日本風のアニメスタイルにも柔軟に対応することができます。
「モデル」とは、画像生成のベースとなるAIモデルを指します。
これらのモデルは、アニメ・漫画風、美麗なイラスト調、リアル寄りの作風などさまざまなスタイルに最適化されており、それぞれ得意なジャンルや描写の傾向が異なります。
「LoRA」とは、既存の画像生成モデルに対して特定の特徴やスタイルを追加学習させた軽量な拡張モデルのことです。
主にキャラクターのポーズ、表情、服装、髪型、作画スタイルなどを柔軟に反映させるために使われ、既存のベースモデルに重ねて適用(上書き)することで目的の表現が可能になります。
そのため、LoRAは単体で使用するのではなく、ベースとなるモデルと組み合わせて使用します。
モデルマーケットは、ユーザーが作成・共有した多種多様な生成モデルやLoRAを自由に利用できる点で高い柔軟性を持っています。
しかしその一方で、利用者には倫理的および法的な配慮に基づいた利用が求められています。
たとえば、性的な内容やそれを連想させるようなプロンプトを含む場合、ガイドラインにより「センシティブコンテンツ」として制限されることがあり、他のユーザーから閲覧できなくなる可能性があります。
また、著作権や知的財産権を侵害するおそれのあるモデルも一部存在するため、説明文や利用条件を確認し、権利的に不明瞭なモデルの使用は避けることが望ましいと考えます。
近年、画像生成AIサービスは数多く登場しており、それぞれに異なる特徴や用途があります。
PixAIと関連または競合する主要なサービスについて、機能や用途の観点から簡単に比較・分類し、それぞれがどのような立ち位置にあるのかを整理したのが、下記のマトリクス(表)です。

では、それぞれの画像生成AIサービスについて簡単に説明をしておきます。
オープンソースの画像生成モデルで、誰でもモデルデータを入手してローカル環境で実行することができます。
カスタマイズ性の高さと拡張性が最大の強みで、世界中のユーザーがコミュニティ主導で開発した多数の拡張機能(WebUI、LoRA、ControlNet、Inpaintingなど)や独自モデルが存在します。
そのため、上級者にとっては自由度の高い環境ですが、一方で「Pythonの実行環境構築」「GPU設定」「モデルファイルの配置」といった技術的な前提知識が求められるため、初心者にはやや敷居が高いのが難点です。
Midjourney(ミッドジャーニー)は、独自に開発されたクローズドソースの画像生成AIサービスで、芸術性の高い独特なスタイルや高品質な画像を作成できるのが強みです。
思いもよらない美しい構図や色彩表現ができることもあり、クリエイターやデザイナーから高く評価されています。
DALL·E 3(ダリスリー)は、Chat GPTで知られるOpenAIが提供する画像生成サービスです。
テキストチャットでの自然な対話を通じて、プロンプトを修正しながら画像を生成できるため、画像生成AIに不慣れな初心者でも扱いやすい設計となっています。
また、日本語のプロンプトにも対応している点が強みですが、「萌え絵」などに特化したスタイルは苦手としています。
Adobe Firefly(アドビファイアフライ)は、Adobe社が提供する画像生成AIで、テキストからの画像生成に加えて、既存画像の補完(生成塗りつぶし)やテキストスタイルの生成、パターンや効果の付加など、グラフィックデザインに特化した機能を備えています。
また、商用利用を前提とした設計がなされており、Adobe Stockなどの素材をもとに学習されているため、著作権面のリスクが低い点が大きな特徴です。
ただし、同一キャラクターを一貫して生成することは苦手としているため、アニメ制作として活用できる場面は限定的になります。
PixAI(ピクスエーアイ)は、Webブラウザから利用できる画像生成サービスでありながら、Stable Diffusionベースの多彩なモデルやLoRA(Low-Rank Adaptation)を活用できる点が大きな特徴です。
アニメ・マンガ風の2次元イラスト生成に特化したコミュニティモデルやLoRAが豊富に揃っており、絵柄やキャラクターの細かな表現を調整しやすい点が強みです。
また、指定したスタイルに近いモデルやLoRAを適用することで、髪型・衣装・構図なども柔軟に調整できる点も魅力です。
そのため、PixAIは初心者がアニメを作成する際に適している画像生成AIだと思います。
PixAI(ピクスエーアイ)は無料で利用を開始することができ、新規登録時に数回分の画像生成が試せるクレジットが付与されます。
さらに、デイリーログインボーナスや自身が生成した画像をコミュニティに公開して獲得した「いいね」数などに応じて追加クレジットを獲得できる仕組みもあり、工夫次第で無料プランのままでもかなりの枚数の生成が可能です。
無料でも利用可能ですが、利用目的や生成頻度に応じて3つの有料プランが用意されています。
| 項目 | スタートプラン | プラスプラン | プレミアムプラン |
|---|---|---|---|
| 月額料金(税込) | 1,400円 | 4,200円 | 7,000円 |
| 年額料金(税込) | 13,440円 | 38,640円 | 67,200円 |
| モデル学習無料枠 | 月3回まで | 月5回まで | 月10回まで |
| LoRA設定数 | 最大5個まで | 最大10個まで | 最大15個まで |
| 月間クレジット量 | 300,000クレジット | 1,000,000クレジット | 2,000,000クレジット |
| プライベートモデル保存数 | 最大15個 | 最大25個 | 最大35個 |
| 生成速度 | 高速生成(速度制限なし) | ||
※2025年12月現在の情報です。最新の料金表は、会員料金とプランからご確認ください。
なお、必要に応じて、画像生成用のクレジットを追加購入することも可能です。
モデルマーケットで選択できるモデルやLoRAには、それぞれ利用許諾の範囲が異なります。
たとえば、PixAI公式モデルの「Haruka」は商用利用が許可されていますが、ユーザーがアップロードした一部モデルでは商用利用不可に設定されている場合があります。

そのため、商用利用を考えている場合は、各モデルの権限欄を確認してから利用しましょう。
それでは、PixAI(ピクスエーアイ)を使った画像生成の基本的な流れを見ていきましょう。
まず、PixAIのサイトにログインします。
続いて、ホーム画面の左メニューにある「生成」を選択します。
今回は、プロンプト例を日本語で説明するため、「プロンプト自動変換」のトグルスイッチをONにします。
このトグルスイッチをONにすることで、日本語のプロンプトを自動的に最適化してくれます。
画面中央のプロンプト入力欄に、生成したいイラストの内容をテキストで指示します。
たとえば「赤い髪のショートカットの女性が、青空の下で笑っている」など、日本語でもOKです。
次に使用するモデルを選択します(デフォルトではPixAI推奨モデルが選ばれますが、必要に応じてモデルマーケットから好みのモデルを選べます)。

そして、生成したい画像のサイズを選択します。

さらに、高度な設定(オプション)として、サンプリング方法(拡散モデルの計算アルゴリズム)など細かな設定も調整できますが、初期設定のままでも問題ありません。
なお、アニメに適したキャラクターを作成したい場合、高度な設定のVAEモデルを「PPPAnimix VAE」にすることで、背景と人物の色の境界がやや明瞭になり、キャラクターを認識しやすく(扱いやすく)なる傾向があります。
最後に「生成」ボタンをクリックすると、数十秒ほどで指定に沿った画像が生成されます。

アニメーションの動画などを作成する場合、同じキャラクターの見た目を一定に保つことが大切です。
PixAIでは、同一キャラクターを再現するための方法がいくつかあり、そのひとつが「シード値を固定する」方法です。
シード値とは、生成される画像ごとに割り振られるユニークな値のことで、この値を固定すると、似たようなキャラクターを安定して生成することができます。

ただし、シード値は万能ではないため、できるだけプロンプト側で細部まで指定しておき、変更する部分を最小限にすることで、より狙いに近い結果が得られます。
PixAIでは、「画像補正」機能を使って、作成した画像を編集することができます。
たとえば、背景を削除して透過PNG化したり、線画風に変換したり、手の形を補正するといった加工が可能です。

このように、キャラクター部分だけを切り出しておくと、動画編集で別の背景と合成したり、複数のキャラクターをそれぞれ別レイヤーとして動かしたりすることができます。
動画化する際は、1枚の立ち絵(イラスト)だけでなく、動きや角度の異なる複数パターンの画像を用意しておくと便利です。
たとえば、下記の画像の様に、正面・横向き・後ろ向きなど、さまざまなアングルやポーズのキャラクター画像をあらかじめ作成しておくと、動画編集の幅が大きく広がります。

この画像は、モデル「PixAI Reference Pro」を使用して作成したものです。
なお、画像では1枚にまとめて表示していますが、実際には前向き・横向き・後ろ向きのそれぞれを個別に生成しました。
「PixAI Reference Pro」は、複数の参照画像からキャラクターの同一性、服装、体の比率、視点、構図、スタイル、文字の位置などを総合的に捉えられるよう設計されているため、一貫性の高い画像を生成しやすい点が特徴です。
「PixAI Reference Pro」の使い方についてです。

画像生成に使用するクレジットの消費量は大きいですが、一貫したキャラクターで別アングルの画像を作成する際に「PixAI Reference Pro」は、非常に便利な機能(モデル)です。
なお、DomoAI(ドモエーアイ)のImage to Video機能を使って、キャラクターに動きを付けることもできるため、無理して何枚も画像生成する必要はありませんが、複数のパターンがあった方が、後の映像制作には役立つと思います。
続いて、生成したキャライラストを実際に動かすフェーズ、DomoAI(ドモエーアイ)を使った動画化手順について説明します。
DomoAIの基本機能として、以下の方法から動画を生成することが可能です。
今回はその中でも、DomoAIの特徴的な機能である「フレームから動画」「キャラ動画」「アバター動画」について、それぞれ解説していきます。
DomoAIの「フレームから動画(Frames to Video)」機能は、複数枚の画像をつなぎ、滑らかな動画に変換することができます。
使い方は、左メニューにあるAIビデオアイコンを選び、画像から動画 > フレームから動画へ を選択します。
そして、動画の起点となる画像と、動画の終点となる画像をそれぞれアップロードします。

プロンプト(Prompt)には、開始画像と終了画像の間のアクションを記載します。
なお、生成の成功率を高めるためには、以下のような工夫が有効でした。
下記は、実際に作成した動画をGIF形式で表示したものです。

さらに、マルチフレームモードを利用すれば、2枚から最大8枚までの画像をアップロードし、それらを連続した映像としてつなげることも可能です。
この「フレームから動画(Frames to Video)」機能の搭載により、アニメーション制作の自由度と表現力が大きく向上したと思います。
DomoAIの「キャラ動画(Character to Video)」は、任意のキャラクター画像に、実際の人物の動きを転写してアニメーション化できるDomoAIの機能です。
たとえば、自分が踊っている動画をアップロードすれば、その動きをもとにキャラクターが同じように踊る映像を生成できます。
使い方は、左メニューにあるAIビデオアイコンを選び、画像から動画 > キャラ動画 を選択します。
下記は、作成した動画をGIF形式で表示したものです。

この機能の大きな利点は、ピースサインや指差しといった細かい手や指の動きなど、プロンプト入力では伝えにくいポーズやアクションを実際の動作をもとに再現しやすい点にあります。
そのため、よりリアルで魅力的なアニメーションを作成することが可能になりました。
ただし、元となる動画の背景や、動きがでやすい服装(スカートなど)、またはロングヘアなどの髪型などに生成結果が左右されやすいので、なるべく余計なものを排除した動画を使用することで、望んだ結果につながりやすいと思います。
DomoAIの「AIアバター(Talking Avatar)」は、画像のキャラクターや人物の画像に音声やセリフを与えることで、まるで喋っているかのように口や表情が動く動画を生成できる機能です。
たとえば、ユーザーが用意した音声ファイルを使い、キャラクターに自然な口パクや目線の動きを加えることができます。
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この機能を使うことで、作成したキャラクターにセリフを話させたり、自作のナレーションに合わせて口の動くアバターを作ることができます。
また、AIアバターには、音声読み上げ機能があり、テキストから音声を作って、mp3で保存することも可能です。

この記事の作成時点では、DomoAIの音声読み上げ機能では、女性3種類・男性3種類の計6種類の音声スタイルを選択することができます。
さらに、自分の声をアップロードして音声に反映させることも可能です。
この機能により、アニメーション制作だけでなく、プレゼンテーション動画や教育コンテンツなど、さまざまな用途への利用もできるのではないでしょうか。
DomoAIでは、1枚の画像から動画を生成することができるので、まずはPixAIで作成したお気に入りの1枚をDomoAIにアップロードして、命を吹き込んでみてください。
ここまで、AIを活用した画像・映像制作の方法について解説してきましたが、意識しておきたい重要なポイントがあります。
それが 「著作権」と「倫理(フェイクコンテンツ)」 の問題です。
アニメ風のキャラクター画像やアニメーションを作成する際、元となる画像や動画をアップロードすることがあると思います。
しかし、TikTokやInstagramなどにアップロードされている他人のダンス動画を使用したり、SNS上の画像を学習素材として無断使用したりする行為は、著作権や肖像権の侵害にあたる可能性があります。
また、意図せず有名な漫画やアニメの作風に酷似した画像が生成され、それを商用利用した場合にも、権利上のトラブルにつながるリスクは否定できません。
そのため、トラブルを避けるためには、オリジナルのキャラクターデザインや独自の世界観を構築し、それをもとにAIで制作をおこなうことが、安全な運用につながります。
生成AIを用いることで、実在しない人物や出来事をリアルに描いた「フェイクコンテンツ(偽情報)」を誰でも簡単に作れるようになった一方で、その影響力や拡散力が社会的な問題を引き起こすケースも増えています。
とくに、実在する人物の顔や声を使って、あたかも本人が発言したように見せかけるフェイク動画は、名誉毀損やプライバシー侵害につながる重大なリスクを伴います。
また、AIが生成した画像や動画が現実と区別しにくい場合、それを事実と誤認した第三者が信じて拡散してしまうことで、誤報や混乱を招く可能性もあります。
商用・非商用を問わず、視聴者や利用者に誤解を与えかねない表現をおこなう場合は「これはAIによる生成物です」といった注記を加えるなど、透明性を意識することが重要です。
AIクリエイターとして倫理的な配慮を欠かさず、「何を作るか」「どう見せるか」に責任を持つ姿勢が求められると考えます。
その第一歩として、著名なキャラ・実在の人物・ブランドロゴなどは生成物に含めないように注意しましょう。
最後に、よくある質問として、疑問に感じやすい点をまとめました。
Q1. PixAIとDomoAIは無料で使えますか?
A1. はい、どちらのサービスも基本部分は無料で利用できます。PixAIは新規登録時やログインボーナスで付与されるクレジット内であれば課金なしで相当数の画像生成を試せます。
DomoAIも初期クレジットが付与されるため、お試しとして試すことができます。ただし、どちらも本格的に使いたい場合や商用利用する場合は有料プランへの加入が必須です。
Q2. 作成したAI画像・動画は商用利用できますか?
A2. 基本的には商用利用可能ですが、使用したモデルやアップロードした素材に特定のライセンス条件がある場合は、それに従う必要があります。
Q3. 動画の長さはどのくらいまで作れますか?
A3. 現状、DomoAIで一度に生成できる動画は最長でも数十秒程度です。多くの機能では5〜10秒が上限となっています。長編アニメのように数分以上の映像を一発で作るのは難しいですが、複数の短いクリップを繋げることで対応可能です。また、DomoAIのFrames to Video機能を活用することで長めのシーンも表現できます。
Q4.18禁や版権キャラのイラストを作れますか?
A4.基本的にどのサービスの利用規約でも、公序良俗に反する内容や明確な版権キャラクターの生成は禁止されています。
Q5.DomoAIにアップロードしたデータは共有されませんか?
A5.DomoAIの利用規約では、ユーザーがアップロードした画像・動画データはAIが処理する目的以外では保存・共有されることはないと明記されています。
以上、よくある質問でした。
これらの内容が、PixAIやDomoAIを使用して、アニメーションを作成する際などの参考になれば幸いです。
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